梅毒
女性の場合は、感染すると腟から子宮頸管に及び、子宮頸管炎を起こします。症状としては、おりものの増加、膿のようなおりもの、悪臭などですが、男性に比べると、女性では症状が少なく、 約8割の女性が無症状です。子宮頸管から子宮、卵管を経由して腹腔内へ感染が波及し、下腹痛や発熱の原因につながることがあります。卵管周囲の癒着や、卵管通過性の障害が起こり、子宮外妊娠や卵管性不妊症の原因ともなります。また、オーラルセックスにより、咽頭炎や扁桃炎の原因にもなります。
・痛みのないしこりができる
感染したところ(性器、口、肛門、手指など)の皮ふや粘膜に、しこり(軟骨の硬さ程度、小豆から人差し指の先位までの大きさ)ができます。その後、しこりの中心部が硬く盛り上がります。
・痛みのないリンパ節のはれ
太ももの付け根の部分がはれます。
※これらの症状は、放置しておくと2~3週間で消えます。
・ピンク色の円形のあざ(バラ疹)
体の中心線にあたる部分を中心に顔や手足にピンク色の円形のあざができます。
・赤茶色の盛り上がったブツブツ
小豆からえんどう豆くらいの大きさの赤茶色の盛り上がったブツブツができます。
・脱毛症状
※これらの症状は3ヵ月から3年続き、自然に消え、その後しばらく無症状が続きます。
・しこりができる(ゴム腫)
皮下組織にできる大きめのしこりで、結節性梅毒疹やゴム腫といわれます。
・変性梅毒または内臓梅毒
心臓や血管、脊髄、脳、内臓などが侵されてしまいます。
内臓が侵されると臓器に腫瘍が発生し、脳や脊髄、神経を侵されれば、認知症や脊髄障害である脊髄瘻(せきずいろう)を発症して歩くことが難しくなり、最後は死に至ります。
採血した血液で検査します。
梅毒はペニシリン系の抗生剤を服用することで完治させることができます。治療期間はどれだけ症状が進んでいるかによって変わりますが、 初期の感染であれば2~4週間程度です。 治療が遅れると症状がひどくなり、治療に時間と費用がかかります。