子宮内膜症
子宮内膜は、本来、子宮の内腟をおおっている組織です。
子宮内膜は、毎月の排卵前に徐々に肥厚し、排卵後は受精卵が着床するベッドの役割をし、受精卵が着床しなければ(妊娠しなければ)月経(生理)の血となって体外に排出されます。
この子宮内膜と同じはたらきをする組織が、どういうわけか子宮内膜以外の場所に発生してしまい、その場所で毎月肥厚と消退を繰り返すのが子宮内膜症です。
はっきりした発生の原因はまだわかっていません。
月経の時、内膜が剥がれて子宮から膣へ出ていきますが、その時、子宮内膜の一部が子宮から逆流して卵管を通り腹腟内にばらまかれ、内膜の一部がそこで発育するという説が有力な説(子宮内膜逆流脱)としてあります。
月経痛(生理痛)が強い場合に用いられます。内服のタイミング(早め)が大切です。
排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑えることから月経痛を軽減します。
子宮内膜症はエストロゲンが悪化させる要因になるため、プロゲステロン(黄体ホルモン)のエストロゲンを抑える作用を利用した治療法です。
卵巣を刺激するホルモンを低下させることで、閉経後のようなホルモン状態にします。内膜症の病巣を縮小させることに非常に有効ですが、副作用が強い、治療期間が半年間と限られていることなどから手術前など特定の時期にのみ使われるようになっています。
症状が強く、他の治療では十分な効果が期待できないときに行います。